「秋来ぬと目にはさやかに見えねども…(敏行)」 千年語り継がれる風雅を愛でる美意識。 一方、「そよりともせいで秋立つ事かいの(鬼貫)」と江戸の俳諧師。 千年前は涼しかったのか、はたまたやせ我慢なのか。
「石麻呂に我もの申す夏痩せによしというものぞ鰻とり食せ(家持)」 なんて痩せの大食い(石麻呂)をからかうような和歌。高貴な身分ではあっても、考えることは庶民と変わりなし。
中世、近世、現代と、世相風俗は随分と変わりましたが、移ろう四季とその風情は変わらず。暦は秋でも昼間の気温は鰻のぼり。
浴衣を着て夜の街を歩きますと「今夜どこかで花火ですか?」と聞かれます。 平日に和装の酔客なんぞ見るのは京都ぐらいでしょうか。 祭りぐらいしか浴衣を着る機会の無い21世紀。
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